楽器の「下取り」は得か?「買取」との違いを徹底比較

使わなくなった楽器「どうする?」解決集

新しい楽器が欲しくなる瞬間って、突然やってきたりしますよね。

ネットで好きなアーティストの機材を見てしまった時とか、楽器屋さんの店頭で、ものすごく好みの音に出会ってしまった時とか……。

「うわー、これ欲しい!乗り換えたい!」

そんな風にテンションが上がると同時に、ふと頭をよぎるのが、「じゃあ、今持ってるこの楽器、どうしようかな?」という問題。

大事に使ってきた楽器ですから、できれば次のオーナーさんにしっかり使ってほしいし、何より、新しい楽器の購入資金の足しにしたい!

そう考えた時、私たちの前には大きく二つの選択肢が現れます。

新しい楽器を買うお店での「下取り」と、楽器買取専門店などによる「買取」。

……この二つ、言葉は似てますけど、「結局、何が違って、どっちが自分にとって“得”なの?」って、正直ちょっと分かりにくくないですか?

「下取り強化中!今なら査定額〇〇%アップ!」なんてポスターを見ると、すごくお得な気がして心が揺れます。

でも一方で、「買取専門店の方が、純粋に高く売れるよ」なんていう話も聞いたりする。

「どっちを選んだら、後悔しないんだろう?」

私も昔、そんな風に迷った経験があります。

ここでは、そんな「下取り」と「買取」の決定的な違いや、それぞれのメリット・デメリット、そして「あなたの場合は、こっちを選ぶのがおすすめですよ」という具体的な判断基準まで、徹底的に比較してみたいと思います。

  1. 楽器の「下取り」と「買取」その決定的な違いとは?
    1. まずは基本から!「下取り」と「買取」の言葉の意味
    2. 「下取り」のメリットとデメリット早わかり
    3. 「買取」のメリットとデメリット早わかり
    4. 結局、「下取り」と「買取」はどっちが得なの?
    5. 「下取り」がおすすめなのはこんな人
    6. 「買取」がおすすめなのはこんな人
  2. 楽器の「下取り」を深掘り!仕組みと価格の決まり方
    1. 楽器「下取り」の基本的な仕組みとは?
    2. メリット1:新しい楽器の購入と売却が一度で済む手軽さ
    3. メリット2:購入代金から直接値引きされる分かりやすさ
    4. デメリット1: 「下取り価格」は市場価格より安くなる傾向
    5. デメリット2:下取りは「次の楽器を買うお店」でしか利用できない
  3. 楽器の「買取」を深掘り!仕組みと選べる方法
    1. 楽器「買取」の基本的な仕組みとは?
    2. メリット1:専門知識による適正な査定価格が期待できる
    3. メリット2:複数の業者を比較して最高値を選べる
    4. メリット3:売却代金を「現金」で受け取れる自由度の高さ
    5. デメリット1:査定や手続きに手間がかかる場合がある
    6. デメリット2:業者によって買取価格に差が出やすい
  4. 【状況別】「下取り」と「買取」の賢い使い分け判断基準
    1. 判断基準1:新しい楽器への「買い替え」が前提かどうか
    2. 判断基準2:とにかく手間と時間をかけたくないか?
    3. 判断基準3:1円でも高く売りたいか?
    4. 判断基準4:すぐに現金が必要か?
    5. ケーススタディ:こんな時は下取り?それとも買取?
  5. 楽器を少しでも高く売るために!査定前にできる5つのこと
    1. ポイント1:楽器本体のクリーニングと簡単なメンテナンス
    2. ポイント2:付属品(ケース、保証書、説明書)は全て揃える
    3. ポイント3:弦などの消耗品は交換すべき?
    4. ポイント4:売るタイミングも重要?楽器の「売り時」とは
    5. ポイント5:楽器の「素性」や不具合は正直に伝える
  6. 後悔しない楽器買取サービスの賢い選び方 5つのポイント
    1. ポイント1:売りたい楽器のジャンルに強い「専門性」があるか
    2. ポイント2:自分に合った「買取方法」を選べるか
    3. ポイント3:査定料・送料・手数料は無料か
    4. ポイント4:査定額の根拠を明確に説明してくれるか
    5. ポイント5:キャンセル時の対応(返送料など)はスムーズか
  7. 楽器買取で有名な人気サービスの特徴を比較
    1. 【楽器専門店】イシバシ楽器
    2. 【ネット系大手】楽器高く売れるドットコム
    3. 【スピード重視】楽器の買取屋さん
    4. 【総合買取大手】バイセル
  8. まとめ:自分の目的に合わせて「下取り」と「買取」を選ぼう
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楽器の「下取り」と「買取」その決定的な違いとは?

新しい楽器への買い替えを検討していると、「下取り」っていう言葉と「買取」っていう言葉が目に入ってきますよね。

実は私自身も、昔は「下取りって、なんかよく分からないけど安くなるんでしょ?」くらいの、ぼんやりしたイメージしかありませんでした。

この二つ、似ているようで実はサービスの中身が全然違うんです。

ここでは、まず「下取り」と「買取」の基本的な違いから、それぞれのメリット・デメリットまで、ざっくりと比較していきたいと思います。

まずは基本から!「下取り」と「買取」の言葉の意味

まず、この二つの言葉がどう違うのか、その定義から見ていきましょう。

すごく簡単に言うと、「新しい楽器を買うのが前提かどうか」が大きな違いなんです。

まず「下取り」ですが、これは基本的に「新しい楽器をそのお店で買うこと」がセットになっています。

今持っている楽器を、新しい楽器の購入代金の一部として引き取ってもらうイメージですね。

例えば、10万円の新しいギターを買うとします。

その時に、今まで使っていたギターを2万円で「下取り」してもらったら、お店で支払う金額は差額の8万円になる、という感じです。

この場合、手元に2万円の現金が入ってくるわけではなく、あくまで「新しい楽器の購入金額から値引きされる」というのがポイントです。

一方、「買取」は、新しい楽器を買うかどうかは全く関係ありません。

単純に、今持っている楽器を「売る」という行為そのものを指します。

楽器買取の専門店やリサイクルショップなどに楽器を持って行って、「これを査定してください」とお願いするわけですね。

査定額が例えば2万5千円になって、それに納得すれば、その場で2万5千円の「現金」を受け取る(あるいは振り込んでもらう)ことができます。

そのお金で新しい楽器を買ってもいいし、全然違うことに使っても、もちろん貯金してもOK。

このように、「買い替えが前提」で「代金が値引き」になるのが下取り。

「売るだけ」で「代金が現金」になるのが買取。

この違いが、それぞれのメリットやデメリット、そして「どっちが得か」という判断に大きく関わってくるんですよ。

「下取り」のメリットとデメリット早わかり

では、まず「下取り」の良いところと、ちょっと注意したいところを整理してみますね。

なんと言っても「下取り」の一番大きなメリットは、「とにかく手続きが楽!」これに尽きると思います。

新しい楽器を買うお店で、古い楽器を引き渡して、差額を払うだけ。

売るのと買うのが、一店舗で、しかも一度の手続きで全部終わっちゃうんです。

これって、特に忙しい人にとってはすごく魅力的ですよね。

それに、新しい楽器の購入代金から直接引いてもらえるので、「お、安くなった!」というお得感を実感しやすいのも良いところだと思います。

また、これはお店によるかもしれませんが、「どうせうちで新しい楽器を買ってくれるお客さんだから」ということで、少し査定基準が甘くなったり、下取り価格をちょっと色付けしてくれたりする……なんてことも期待できるかもしれません。

ただ、もちろんデメリットというか、注意点もあります。

一番よく言われるのは、「買取」に比べて「下取り価格」は安くなる傾向がある、ということです。

あくまで「買い替え」のサービスの一環なので、純粋な市場価格での査定というよりは、「値引き」の原資として扱われることが多いから、と言われていますね。

それから、売るお店を選べない、というのもあります。

「新しい楽器Aが欲しいのはB店だけど、高く下取りしてくれそうなのはC店」みたいなことはできないわけです。

あくまでB店で買うならB店で下取りしてもらう、というのが基本になります。

あと、先ほども触れましたが、現金が手に入らないので、「売ったお金は別のことに使いたいな」という人には向いていません。

「買取」のメリットとデメリット早わかり

次に、「買取」の良いところと注意点を見ていきましょう。

「買取」の最大のメリットは、やっぱり「下取り」よりも高く売れる可能性が高い、という点だと思います。

特に楽器専門の買取業者さんだと、その楽器の価値をしっかり分かってくれる専門の査定士さんが見てくれることが多いです。

ヴィンテージ品とか、ちょっとマニアックな機材なんかは、こういう専門店のほうが高値がつきやすい傾向があるようです。

そして、これがすごく大事なんですが、「複数の業者を比較できる」ことです。

A店では2万円だったけど、B店に持って行ったら3万円になった!なんてことも、実際によくある話です。

いわゆる「相見積もり」ですね。

これをすることで、その楽器の「今の最高値」を引き出しやすいのが、買取の強みです。

さらに、売った代金を「現金」で受け取れる自由度の高さも魅力ですよね。

新しい楽器の購入資金に充てるもよし、エフェクターを買うもよし、はたまた音楽とは関係ない旅行費にするもよし、というわけです。

もちろん、買取にもデメリットはあります。

一番は、「下取り」に比べると手間がかかる可能性がある、ということ。

新しい楽器を買うお店とは別に、買取店を探して、査定に出して、売る手続きをして……となりますからね。

複数の業者を比較するとなれば、なおさら時間はかかります。

宅配買取や出張買取といったサービスもありますが、それでも梱包したり、日程を調整したりする手間は発生します。

あとは、業者さんによって査定額に結構な差が出やすいのも注意点です。

だからこそお店選びが重要になってくる、とも言えますね。

結局、「下取り」と「買取」はどっちが得なの?

さて、ここまで「下取り」と「買取」の基本とメリット・デメリットを見てきました。

それで、読者の方が一番知りたい「結局、どっちが得なの?」という疑問ですよね。

結論から言ってしまうと、これは「あなたが何を一番重視するかで変わります」というのが答えになってしまいます。

……と、これだけだと無責任なので、もう少し踏み込みますね。

もし、「金額的な得」、つまり「1円でも高く売りたい!」ということを最優先にするのであれば、手間をかけてでも「買取」を選ぶ方が有利な場合が多い、と私は思います。

なぜなら、さっきもお話しした「相見積もり」ができるから。

競争の原理が働くので、一番高い値段をつけてくれたところを選べます。

下取りだと、そのお店の提示額で決まってしまいますからね。

一方で、「時間や手間の得」、つまり「楽さ」を最優先したいのであれば、「下取り」も全然アリな選択肢です。

特に、売る楽器と買う楽器の差額だけをポンと払えば、あとはお店の人が全部やってくれる……という手軽さは、何物にも代えがたい魅力があります。

個人的な意見を言うと、私は結構「高く売りたい派」なので、ついつい買取業者さんをいくつか比較しちゃいます。

でも、昔使ってた大型のベースアンプとか、ドラムセット一式とか、そういう「運ぶのがめちゃくちゃ大変!」なものを売る時は、「もう下取りでいいかな……」って弱気になったこともあります(笑)。

だから、「得」の基準は人それぞれなんですよね。

数千円高く売れることよりも、週末の貴重な時間を節約できる方が「得」だと感じる人も、もちろんいるわけです。

自分の状況に当てはめて考えることが、一番大事なポイントだと思います。

「下取り」がおすすめなのはこんな人

ここまでの比較を踏まえて、「下取り」を選んだ方が満足度が高そうなのは、こんな人かなと思います。

まずは、「新しい楽器を買うことが、もう心に決まっている人」。

特に、欲しい楽器が特定のお店にあって、「もう、あそこで買う!」と決めている場合ですね。

そして、「とにかく手間と時間をかけたくない人」。

売る手続きと買う手続きを、一回の来店で全部済ませたい、という人にはピッタリです。

買取業者を探したり、査定を比較したりするのが「正直、面倒くさい……」と感じるなら、下取りの手軽さは大きなメリットになります。

また、先ほども例に出したような、ギターアンプやシンセサイザー、電子ドラムなど、大きくて重い楽器を売る場合もそうですね。

自分で梱包して送ったり、車で運んだりする手間を考えたら、「差額は気にしないから、新しいのを買うついでに持っていって!」となる気持ち、すごく分かります。

あとは、「売却代金を現金で受け取る必要がない人」。

どうせ次の楽器の購入資金にするんだから、最初から値引きしてくれた方が分かりやすい、という人にも向いていますね。

これらのどれかに当てはまるなら、「下取り」はとても合理的な選択だと思いますよ。

「買取」がおすすめなのはこんな人

逆に、「買取」を選んだ方がハッピーになれそうなのは、こんな人です。

なんといっても、「とにかく1円でも高く売りたい人」。

これはもう、買取一択と言ってもいいかもしれません。

複数の業者さんの査定額を比較する手間を惜しまない、という情熱があるなら、ぜひチャレンジしてみてほしいです。

思わぬ高値がつくこともありますからね。

それから、「売却代金を『現金』で受け取りたい人」。

「売ったお金の使い道は、新しい楽器を買うかどうかも含めて、後でゆっくり考えたい」とか、「楽器以外の趣味に使いたい」という場合は、買取が適しています。

もちろん、「新しい楽器を買う予定は今のところない」という、単純に「楽器を売りたいだけ」の人も、買取を選ぶことになりますね。

あとは、ちょっとマニアックな視点かもしれませんが、「売りたい楽器がヴィンテージ品や希少品かもしれない」と感じている人。

そういう楽器は、価値が分かる専門の業者さんに見てもらうのが一番です。

一般的な楽器店での「下取り」だと、その価値が正しく評価されず、かえって安く見積もられてしまう可能性もある、と言われています。

心当たりがある方は、ぜひ専門の買取業者さんに相談してみることをおすすめします。

自分はこっちのタイプかも、となんとなく見えてきましたでしょうか?

楽器の「下取り」を深掘り!仕組みと価格の決まり方

さて、前の章で「下取り」と「買取」の大まかな違いが見えてきたかと思います。

ここからは、まず「下取り」について、もう少し詳しく見ていくことにしましょう。

「下取り」って、新しい楽器を買う時にはすごく便利な制度のように見えますよね。

私も、あの「新しい楽器が安く手に入る!」っていう響きには、やっぱりワクワクしてしまいます。

でも、その「下取り価格」って、一体どうやって決まっているんでしょうか。

そして、なぜ「買取」よりも安くなる傾向があるって言われるんでしょうか。

その仕組みと、メリット・デメリットをしっかり理解しておくと、「あ、自分は下取りの方が合ってるかも」とか、「うーん、やっぱり損したくないな」っていう判断が、もっとクリアにできると思うんです。

ここでは、そんな「下取り」の仕組みと、その裏側にあるかもしれない理由を、私なりに考えてみたいと思います。

楽器「下取り」の基本的な仕組みとは?

まずは、「下取り」の基本的な仕組みのおさらいからですね。

これはもう、とってもシンプルです。

「あなたが、A店で新しい楽器を買う」。

「そのA店に、今持っている古い楽器を引き取ってもらう」。

「新しい楽器の価格から、古い楽器の査定額分を値引きしてもらう」。

この一連の流れが「下取り」です。

大事なのは、すべてが「A店」という一軒のお店の中で完結する、というところ。

例えば、15万円の新しいギターを買うと決めたとします。

そのお店に、今まで使っていたベースを持って行って、「これも下取りしてください」とお願いします。

お店の人が査定して、「このベースは3万円で下取りできます」となったら、あなたがそのお店で支払うのは、差額の12万円になる、というわけです。

あなたの手元に3万円の現金が入ってくるわけではなく、あくまで「15万円のギターを12万円で買える権利」を手に入れる、という感じですね。

だから、「下取り」は、新しい楽器への「買い替え」を前提としたサービス、ということになります。

古い楽器だけを売って、お金だけもらう、というのは「下取り」とは呼ばず、それは「買取」になるんですね。

メリット1:新しい楽器の購入と売却が一度で済む手軽さ

この「下取り」の仕組みがもたらす最大のメリット。

それは、もう圧倒的に「手軽さ」だと思います。

本当に、これに尽きると言ってもいいかもしれません。

考えてみてください。

もし「買取」を選んだとしたら、まず「どこに売るか」を決めないといけません。

ネットで買取業者さんを探して、査定を申し込んで、楽器を梱包して送ったり、お店に持ち込んだり……。

それで査定額が出て、納得したから売る、という手続きをして、お金を受け取る。

その後、今度は「どこで新しい楽器を買うか」を決めて、お店に行って、買う。

「売る」と「買う」という二つの大きなアクションを、別々にやる必要があるわけです。

でも「下取り」なら、どうでしょう。

新しい楽器を買いに行く時に、古い楽器を一緒に持っていくだけ。

「これを買うので、こっちは下取りで」と言えば、あとはお店の人が査定してくれて、差額を提示してくれます。

OKなら、その場で差額を支払って、新しい楽器を持って帰るだけ。

一回の来店、一回の手続きで、売却と購入が全部終わっちゃうんです。

これは、忙しくてなかなか時間が取れない人や、「手続きとか、いろいろ比較検討するのは正直ちょっと面倒くさい……」と感じる人にとっては、ものすごく大きな魅力ですよね。

メリット2:購入代金から直接値引きされる分かりやすさ

もう一つのメリットとして、私が感じるのは「分かりやすさ」です。

これは、ちょっと心理的な面も大きいかもしれません。

例えば、「買取」で楽器が3万円で売れて、現金3万円を受け取ったとします。

それはもちろん嬉しいんですけど、その3万円って、なんだか「別のお金」っていう感じがしませんか。

「あ、3万円入った。これで美味しいものでも食べようかな」なんて、つい思っちゃうかもしれません(笑)。

一方で、「下取り」の場合。

「本当は15万円だった新しいギターが、12万円で買えますよ」と言われるわけです。

これって、すごく直接的に「お得感」を感じませんか?

「あの欲しかったギターが、3万円も安くなった!」という実感。

これは、新しい楽器を買う、という目的がハッキリしている人にとっては、すごくストレートな喜びにつながると思うんです。

手元に入るのが「現金」なのか、それとも「値引き」なのか。

この違いは、その後の満足感にも意外と影響してくるポイントなんじゃないかな、と私は思います。

購入のハードルがグッと下がる感じがしますよね。

「3万円浮いた」んじゃなくて、「12万円で買えた」っていう、その分かりやすさが魅力です。

デメリット1: 「下取り価格」は市場価格より安くなる傾向

さて、ここまでは良い点を中心に見てきましたが、もちろん注意すべき点もあります。

「下取り」を考えた時に、一番よく耳にするデメリット。

それはやっぱり、「下取り価格は、専門の買取業者に売るよりも安くなる傾向がある」ということです。

もちろん、すべての場合に当てはまるとは言えませんし、お店の方針や、その時の在庫状況によっても変わるとは思います。

でも、一般的にはそう言われることが多いですね。

「え、どうして?同じ楽器を売るのに、値段が変わるの?」って不思議に思いますよね。

これは、「下取り」というサービスの成り立ちを考えると、なんとなく理由が見えてくるような気がします。

お店にとって「下取り」は、古い楽器を仕入れる行為であると同時に、新しい楽器を売るための「サービス」や「値引き」の一環、という側面もあると思うんです。

純粋に「その楽器が中古市場でいくらで売れるか」という視点だけで値付けをしているわけではない、ということですね。

だから、どうしても専門の買取業者がつける「市場価格」とは、差が出てきてしまう可能性があるんです。

「手軽さ」というメリットと、この「価格」というデメリットを、天秤にかける必要がありそうですね。

なぜ下取り価格は安くなりがちなのか?その理由

では、どうして「下取り価格」は安くなりがちなのでしょうか。

いくつか理由が考えられると思うんです。

まず一つ目は、「お店側のリスクとコスト」です。

お店は、下取りした楽器を、そのまま右から左へ売れるわけではありませんよね。

ちゃんとクリーニングして、必要なら弦を張り替えたり、調整したり、場合によっては修理も必要です。

そして、それを「中古品」として再び店頭に並べて、売れるまで在庫として抱えておくことになります。

そのための手間(人件費)や、部品代、売れ残るかもしれないリスク……。

こいったコストを、あらかじめ「下取り価格」から差し引いておく必要がある、と考えられます。

二つ目は、「競争がない」ことです。

「買取」なら、A店、B店、C店と見積もりを取って、一番高いところに売ることができます。

でも「下取り」は、その新しい楽器を買うお店、一択ですよね。

他のお店と価格を比べる「相見積もり」ができません。

そうすると、お店側も「精一杯の高値」をつける動機が、「買取」の時よりも働きにくい、というのはあるかもしれません。

もちろん、そのお店で買ってもらうためのサービスとして、頑張ってくれる場合もあるとは思いますけどね。

これらの理由が組み合わさって、結果的に「買取」の価格よりも控えめな金額が提示されることが多くなる、というのが一般的な見方のようです。

デメリット2:下取りは「次の楽器を買うお店」でしか利用できない

そして、もう一つのデメリットが、先ほどから何度も触れている「お店が選べない」という点です。

これは、価格の面でも、選択肢の面でも、結構大きな制約になります。

例えば、あなたが欲しい限定モデルのギターが「A店」にしかないとします。

でも、楽器の下取りに力を入れていて、いつも高く評価してくれることで有名なのは「B店」だったとします。

こういう時、「B店」で古い楽器を高く下取りしてもらって、そのお金で「A店」のギターを買う……というような、良いとこ取りはできないわけです。

「A店」でギターを買うなら、「A店」の下取り条件を飲むしかありません。

もし「A店」が提示した下取り額が、あなたが想定していたよりもずっと安かったら……。

「うーん、この金額じゃちょっとなぁ……」と不満に思っても、選択肢は二つしかありません。

「その安い金額で我慢して、下取りに出す」か。

「下取りは諦めて、A店では定価で新しいギターを買い、古い楽器は改めてB店(や他の買取店)に売りに行く」か。

結局、後者を選ぶなら、「下取り」のメリットだった「手軽さ」は失われてしまいますよね。

このように、下取りは「買い替えの利便性」と引き換えに、「売るお店の自由」を失うことになる、というわけなんです。

これが「下取り」の大きな特徴であり、人によっては一番のネックになる部分かもしれません。

楽器の「買取」を深掘り!仕組みと選べる方法

さて、「下取り」の仕組みや特徴がだいたい分かったところで、次はもちろん「買取」について深掘りしていきたいと思います。

「楽器を手放すなら、やっぱり1円でも高く売りたい!」。

そう考える方にとっては、この「買取」が本命の選択肢になってくるんじゃないかと思います。

私も、機材を売る時はまず「買取」を検討することが多いですね。

「下取り」の手軽さはすごく魅力的なんですけど、やっぱり「この楽器、本当はいくらの価値があるんだろう?」っていう好奇心と、ちょっとした欲(笑)が出てきちゃうんです。

ここでは、そんな「買取」の基本的な仕組みから、下取りにはない大きなメリット、そして買取ならではの注意点まで、しっかり解説していきます。

一口に「買取」と言っても、今は色々な方法が選べるようになっています。

そのあたりも、ご自身のスタイルに合わせて選ぶ大事なポイントになってきますよ。

楽器「買取」の基本的な仕組みとは?

「買取」の仕組みも、言葉自体はすごくシンプルです。

「下取り」が、新しい楽器を買うお店での「買い替え」が前提だったのに対して、「買取」は、新しい楽器を買うかどうかは全く関係ありません。

純粋に、「今持っている楽器を売って、現金に換える」という行為そのものを指します。

楽器専門の買取業者さんや、総合リサイクルショップ、中古楽器店などに楽器を持っていき(あるいは送ったり、来てもらったりして)、査定してもらいます。

そして、お店側から「この楽器、〇〇円で買い取れます」という査定額が提示されます。

あなたがその金額に納得すれば、売買契約が成立。

その場で現金を受け取るか、後日、指定した口座に振り込んでもらう、という流れです。

この「現金化できる」というのが、下取りとの決定的な違いの一つですね。

そのお金の使い道は、完全にあなたの自由。

新しい楽器の購入資金にしてもいいですし、エフェクターを買う足しにしてもいい。

はたまた、楽器とは全然関係ない、旅行や美味しいご飯のために使っても、もちろんOKというわけです。

「楽器は売りたいけど、次に何を買うかはまだ決めてない」という人にとっては、唯一の選択肢とも言えますね。

メリット1:専門知識による適正な査定価格が期待できる

「買取」を選ぶ大きなメリットとして、まず挙げたいのがこれです。

特に、「楽器専門」をうたっている買取業者さんに依頼した場合ですね。

そういうお店には、ギターならギター、管楽器なら管楽器と、それぞれのジャンルに詳しい専門の査定スタッフさんがいることが多いんです。

これは、すごく大事なポイントだと思います。

なぜなら、楽器の価値って、ただ「キレイかどうか」「音が鳴るかどうか」だけじゃないからです。

そのモデルが今、市場でどれくらい人気があるのか、製造年やシリアルナンバーから分かる希少性、使われている木材やパーツの価値……。

そういった「専門知識」がないと、本当の価値って見抜けないものですよね。

例えば、親から譲り受けた古いギターが、実はすごく価値のある「ヴィンテージ品」だった、なんて話も聞きます。

そういう楽器を、もし専門知識のないお店で「下取り」に出してしまったら……。

もしかしたら、「古いから」という理由だけで、すごく安い値段をつけられてしまうかもしれません。

その点、専門の買取業者さんなら、そういった価値をしっかり見抜いて、「これは〇〇年のモデルだから、この価格です」と、根拠のある適正な査定額を提示してくれる可能性が高いと言われています。

大事にしてきた楽器の価値を、ちゃんと分かってくれる人に見てもらえる。

これは、金額以上の安心感にもつながるんじゃないかな、と思います。

メリット2:複数の業者を比較して最高値を選べる

これこそが、「買取」を選ぶ最大のメリットであり、醍醐味(だいごみ)かもしれません。

「下取り」は、新しい楽器を買うお店、つまり「一択」でしたよね。

そのお店が提示する金額がいくらであれ、そこで決めるしかありませんでした。

でも、「買取」は違います。

売るお店は、あなたが自由に選ぶことができるんです。

これが何を意味するかというと、「相見積もり(あいみつもり)」ができる、ということです。

例えば、売りたいギターがあったら、A店、B店、C店と、複数の買取業者さんに査定を依頼してみる。

そうすると、A店は「3万円」、B店は「3万5千円」、C店は「2万8千円」と、それぞれ違う査定額が出てくることが、本当によくあります。

じゃあ、あなたはどこに売りますか?

もちろん、一番高い「3万5千円」をつけてくれたB店に売ればいいわけです。

(もちろん、対応の良さとか、手続きの速さとか、他の要素も加味するとは思いますが。)

このように、競争の原理が働くことで、その楽器の「今、出せる最高値」を引き出すことができる。

これが「買取」の最大の強みです。

最近は、インターネットで簡単に一括査定を申し込めたり、スマホで写真を撮ってLINEで送るだけで、だいたいの査定額(仮査定)を教えてくれたりする便利なサービスも増えています。

少し手間はかかりますが、このひと手間を惜しまないことが、「1円でも高く売る」ための、一番確実な方法だと私は思います。

メリット3:売却代金を「現金」で受け取れる自由度の高さ

これも、先ほどの「仕組み」のところでも触れましたが、すごく大きなメリットです。

「下取り」は、あくまで「新しい楽器の購入代金からの値引き」でした。

手元にお金が入ってくるわけではありません。

一方、「買取」は、売った楽器が「現金」に変わります。

この「現金」というのがミソで、使い道が完全に自由なんですよね。

もちろん、そのお金を元手にして、新しい楽器を買う資金に充てるのが王道だと思います。

しかも、どこのお店で買ってもいいわけです。

A店で楽器を売って、一番安く売っているB店で新しい楽器を買う、なんていう賢い立ち回りも可能になります。

でも、使い道はそれだけじゃありません。

「ギターは売るけど、次はベースを始めたいから、その資金にしよう」とか。

「アンプやエフェクター、DTMソフトを新調したい」とか。

「いや、もう音楽は引退するから、売ったお金は生活費にします」とか(ちょっと寂しいですが)。

「とりあえず現金化しておいて、次に欲しい楽器が見つかるまで貯金しておく」というのも、すごく堅実な考え方だと思います。

このように、売ったお金の使い道を自分で決められる「自由度の高さ」と「選択肢の広さ」。

これが「買取」の、もう一つの大きな魅力と言えるでしょう。

デメリット1:査定や手続きに手間がかかる場合がある

さて、良いことずくめのように見える「買取」ですが、もちろん注意点もあります。

お察しの通り、「下取り」の最大のメリットだった「手軽さ」の、ちょうど裏返しになります。

そう、「手間がかかる」ということです。

「下取り」なら、新しい楽器を買うお店に古い楽器を持っていくだけで、ワンストップで全部終わりました。

でも「買取」は、「売る」という行為を独立して行う必要があります。

まず、「どこに売るか?」という買取業者さんを探すところからスタートです。

ネットで口コミを調べたり、サービス内容を比較したり。

そして、高く売るために「複数の業者を比較する」となれば、その分だけ査定の申し込みや、やり取りの手間が増えます。

買取の方法(「店頭」「宅配」「出張」など。これは後で詳しくやりますね)を選んで、もし「宅配買取」なら、楽器が壊れないようにしっかり梱包して、配送業者さんに集荷を頼んだり、コンビニに持ち込んだりする作業が発生します。

「店頭買取」なら、当然、お店までその楽器を運んでいかなければなりません。

車がないと、ちょっと大変ですよね。

こうした一つ一つの手間を、「面倒くさい」と感じるかどうか。

「高く売れるなら、それくらいの手間は惜しまないよ!」という人には全く問題ありませんが、「時は金なり。時間の方が大事」という人にとっては、ちょっとしたハードルになるかもしれませんね。

デメリット2:業者によって買取価格に差が出やすい

これも、メリットである「複数の業者を比較できる」ことの裏返しです。

比較できるということは、つまり「業者によって査定額が結構違う」という現実があるわけです。

なぜ、そんなに差が出るんでしょうか。

一つは、先ほどメリットで挙げた「専門性」に関わってきます。

例えば、ヴィンテージギターにすごく強いA店と、最新のデジタル機材に強いB店、管楽器専門のC店では、同じギターを査定しても、評価が分かれる可能性があります。

A店は「おお、これは!」と高値をつけてくれるかもしれませんが、B店やC店では「うちの得意分野じゃないから、無難な値段で……」となるかもしれません。

また、そのお店の「在庫状況」も影響すると言われています。

たまたま同じモデルの在庫がたくさんあるお店なら「今、急いで仕入れなくてもいい」と判断されて査定が低めになったり、逆に「ちょうど探してたんだ!」というお店なら高値がついたり。

さらに言えば、近所のリサイクルショップのような、楽器専門ではないお店に持っていった場合。

専門知識がないために、一律で「中古品」として安く査定されてしまうリスクもあります。

つまり、お店選びを間違えると、「下取り」に出した方がマシだった……なんていう、悲しい結果になる可能性もゼロではないんです。

だからこそ、「買取」で高く売るためには、「どこに売るか」というお店選びと、できれば「複数の業者を比較する」という手間が、とても重要になってくるんですね。

【状況別】「下取り」と「買取」の賢い使い分け判断基準

さて、ここまで「下取り」と「買取」、それぞれの良いところと注意が必要なところを、かなり詳しく見てきました。

「うーん、どっちにもメリットがあるのは分かったけど、じゃあ結局、自分の場合はどう判断したらいいんだろう?」

そう思われる方も多いんじゃないでしょうか。

最初の章でもちょっと触れましたが、これって「絶対にこっちが得!」という万人共通の正解がない問題だと思うんです。

その人が何を一番「得」と感じるか。

「金額」なのか、「時間」なのか、「手軽さ」なのか、それとも「安心感」なのか……。

優先順位によって、ベストな選択は変わってきます。

ここでは、ご自身の状況に当てはめて考えていただくための、具体的な「判断基準」をいくつか提案してみたいと思います。

これらをチェックリストみたいに使ってもらえれば、きっと「あ、自分はこっちだな」と、スッキリ決められるはずです。

判断基準1:新しい楽器への「買い替え」が前提かどうか

まず、一番シンプルで、一番最初に確認すべき質問はこれですね。

「あなたは、今すぐ新しい楽器を買う予定がありますか?」

もし答えが「いいえ」なら、もう迷う必要はありません。

「買取」一択です。

「下取り」は、あくまで「新しい楽器を買うお店」で、「買うのと同時に」古い楽器を引き取ってもらうサービスでしたよね。

だから、単純に「楽器を売りたいだけ」で、次に買う予定がない、あるいは買うとしてもずっと先、という場合は、「下取り」の土俵に上がることすらできないわけです。

迷うのは、「はい、新しい楽器を買います!」という人。

特に、「もう、あの楽器屋さんの、あのモデルを買う!」と心に決めている人。

こういう人こそが、「下取り」と「買取」のどっちを選ぶか、真剣に悩む資格(?)がある、ということになります。

もしあなたが「買い替え前提」であるなら、次の判断基準に進んでみてください。

もし「買い替えは未定」なら、この時点で「買取」を選ぶことにして、どうやって高く売るか、という次のステップ(後の章で解説しますね)を考えるのがおすすめです。

判断基準2:とにかく手間と時間をかけたくないか?

さて、「買い替え前提」の方にお聞きする、次の質問です。

「あなたは、面倒な手続きや、業者さんとのやり取りを、できるだけ避けたいタイプですか?」

もし答えが「はい、面倒なのは絶対にイヤ!」という方。

そういう方には、「下取り」がすごく向いていると思います。

「下取り」の最大の魅力は、なんといっても「ワンストップで終わる手軽さ」でした。

新しい楽器を選ぶ。

古い楽器を差し出す。

差額を払う。

これだけで、売却も購入も、その日のうちに全部完了です。

これは、お仕事や家事で忙しくて、楽器を売るために時間を割くのが難しい人にとっては、お金には換えがたい大きなメリットですよね。

逆に、「いいえ、高く売れるなら、多少の手間は惜しみません」という方。

そういう方は、「買取」にチャレンジする価値が十分にあります。

買取業者さんをいくつか探して、査定を比較して、一番高いところに売る。

その手間をかけることで、「下取り」よりも数千円、場合によっては数万円高く売れる可能性を手に入れることができます。

「時間」と「手間」をコスト(費用)と考えた時に、そのコストを払ってでも「金額」を取りに行くか。

それとも、「金額」は多少下がっても、「時間」と「手間」を節約する方を選ぶか。

これはもう、その人の価値観次第ですよね。

判断基準3:1円でも高く売りたいか?

これは、先ほどの質問とも深く関連してきますね。

「あなたにとって、売却金額の『数千円~数万円の差』は、どれくらい重要ですか?」

もし、「もちろん重要!」「同じ楽器なんだから、一番高い値段で売りたいに決まってる!」と強く思うなら。

答えは、ほぼ「買取」で決まりだと思います。

なぜなら、「下取り」では「相見積もり」ができないからです。

そのお店が提示した下取り額が、果たして適正なのか、もっと高い値段がつく可能性はないのか。

それを知ることができないまま、契約することになります。

一方、「買取」なら、複数の業者を比較することで、「最高値」を探す努力ができます。

その努力が報われる可能性が、仕組みとして担保されているわけです。

逆に、「うーん、もちろん高い方がいいけど……」

「そのために、あちこち連絡したり、査定結果を待ったりするのは、ちょっと疲れるかも」

「下取り価格が相場より2千円安かったとしても、その分、早く新しい楽器を手に入れて練習できるなら、そっちの方がいいかな」

こんな風に考える方なら、「下取り」を選んでも後悔は少ないかもしれません。

特に、売ろうとしている楽器の元々の価格がそれほど高くない場合、下取りと買取の差額も、そこまで大きくならない可能性があります。

その「差額」と「手間」を天秤にかけて、どちらが自分にとって「得」かを考えてみるのが大事ですね。

判断基準4:すぐに現金が必要か?

これも、判断基準としては非常にクリアです。

「あなたは、売ったお金を『現金』として手元に欲しいですか?」

もし答えが「はい、現金で欲しい!」なら、これは「買取」を選ぶしかありません。

「下取り」は、あくまで「新しい楽器の購入代金からの値引き」であって、現金が手に入るわけではないからです。

「現金で欲しい」という理由も、人それぞれですよね。

「売ったお金で、A店じゃなくて、B店で一番安く売ってる新しい楽器を買いたい」という、賢い買い物のため。

「楽器を売ったお金で、生活費の足しにしたい」という、切実な理由。

「とりあえず現金化しておいて、次に本当に欲しいものが見つかるまで取っておきたい」という、堅実な考え。

どんな理由であれ、「お金の使い道を自分で決めたい」という自由度が欲しいなら、「買取」が正解です。

逆に、「いいえ、現金じゃなくていいよ」という方。

「どうせ、この楽器を売ったお金は、新しい楽器の購入資金にするって決めてるから」

「最初から値引きしてくれた方が、計算が分かりやすくて助かる」

こんな風に思うなら、「下取り」の仕組みは、あなたのニーズにピッタリ合っていると言えますね。

ケーススタディ:こんな時は下取り?それとも買取?

最後に、ここまでの判断基準を組み合わせて、いくつかの具体的なケースを考えてみましょう。

ご自身の状況と照らし合わせてみてください。

【ケース1:Aさん】

「仕事が忙しくて休みがあまりない。でも、憧れのギブソン・レスポールが、近所のB楽器店に限定入荷したのですぐにでも欲しい!今使っているエピフォンのギターを売って、購入資金の足しにしたい。手続きは一回で済ませたい。」

→ Aさんには、間違いなく「下取り」がおすすめです。

「B楽器店で買う」という目的が明確で、「時間・手間」を最優先しています。

多少、買取より安くなったとしても、その手間を省いて、欲しい楽器を確実に手に入れられるメリットの方が大きいでしょう。

【ケース2:Bさん】

「学生時代に買ったフェンダー・ジャパンのベース。もう弾かなくなったから売りたい。売ったお金で、新しいエフェクターを買うか、旅行に行くか考え中。次に楽器を買う予定は特にない。時間はそこそこある。」

→ Bさんには、「買取」一択ですね。

まず「買い替え前提ではない」こと、そして「現金を必要としている」ことから、下取りという選択肢はありません。

時間があるなら、いくつかの楽器買取専門店で査定を比較してみると、思ったより高値がつくかもしれません。

【ケース3:Cさん】

「親戚から譲り受けた、どこのメーカーかよく分からない古いアコースティックギターがある。新しいギターを買おうと思っていて、その下取りに出そうか迷っている。でも、もしかしたら価値のあるものかも?と少し期待している。」

→ Cさんには、まず「買取」の査定に出してみることを強くおすすめします。

もしそれが本当に価値のあるヴィンテージ品だった場合、一般的な楽器店の「下取り」では、その価値が正しく評価されない可能性があります。

まずは、ヴィンテージ楽器に詳しい専門の買取業者さんに一度見てもらうのが賢明です。

その査定額に納得したなら、そこで売って現金化し、そのお金で新しいギターを買いに行けばOK。

もし査定額が期待したほどでなければ、その時あらためて、新しいギターを買うお店で「下取り」に出すか(おそらく査定額はもっと低いかもしれませんが)、手間を考えて判断すれば良いわけです。

このように、ご自身の「目的」「時間」「お金」の優先順位をつけてみると、選ぶべき道がはっきり見えてくるんじゃないでしょうか。

楽器を少しでも高く売るために!査定前にできる5つのこと

さて、「下取り」か「買取」か、ご自身の進むべき道が決まったとします。

どちらを選んだとしても、共通する願いは「どうせなら、1円でも高く評価してほしい!」ということですよね。

私も本当にそう思います。

査定額が提示される瞬間って、ドキドキしますからね。

もちろん、その楽器自体のモデルや状態、市場での人気が査定額の基本になるのは間違いありません。

でも、査定するのだって「人」です。

パッと見た時の「印象」も、実はすごく大事なんじゃないかな、と私は思っています。

「おお、この楽器、すごく大事に使われてきたんだな」と感じてもらえれば、査定する側も「なんとか良い値段をつけてあげたい」という気持ちになるかもしれませんよね(希望的観測ですが!)。

ここでは、査定に出す前に、私たち自身でできる簡単な「ひと手間」を5つのポイントにまとめてみました。

これだけで数千円変わることもある、なんて話も聞きますから、やらない手はないですよ。

難しいことはないので、ぜひチェックしてみてください。

ポイント1:楽器本体のクリーニングと簡単なメンテナンス

まず、基本中の基本ですが、これが一番大事かもしれません。

「楽器をキレイにしておくこと」です。

あなたが査定士さんだったとして、想像してみてください。

ホコリまみれで、指紋や手垢がベッタリついたギターと、ピカピカに磨き上げられたギター。

どっちに良い値段をつけたくなるでしょうか。

答えは明らかですよね。

ホコリが溜まっていると、「ああ、これ、ずっと弾かないで放置されてたんだな」「ネックとか反ってるかも……」なんて、マイナスの印象を与えてしまうかもしれません。

まずは、楽器用のクロス(メガネ拭きみたいな柔らかい布でもOKです)で、ボディやネック、ヘッドの指紋、汚れ、ホコリを優しく拭き取ってあげましょう。

弦と指板の間とか、ピックアップの隙間とか、ブリッジ周りとか、ホコリが溜まりやすいところも、綿棒や柔らかいブラシでそっと掃除してあげると、見違えるようにキレイになります。

ギターやベースなら、ポリッシュ(楽器用のツヤ出し剤)を持っているなら、軽く磨いてあげるのも良いですね。

ただし、塗装の種類(ラッカー塗装など)によっては使えないポリッシュもあるので、そこは要注意です。

やりすぎは禁物ですが、「できる範囲で、キレイにしました!」という姿勢が伝わることが重要だと思います。

これだけで、査定士さんの心証はグッと良くなるはずですよ。

ポイント2:付属品(ケース、保証書、説明書)は全て揃える

これも、かなり査定額に影響すると言われているポイントです。

その楽器を「買った時についてきたもの」は、できるだけ全部揃えて査定に出しましょう。

一番分かりやすいのは、専用のハードケースやソフトケース(ギグバッグ)ですね。

特に、ギブソンやマーチンみたいな高級ブランドの「純正ハードケース」は、それ自体にも価値があります。

ケースがないだけで、数千円から、場合によっては1万円以上マイナス査定になってしまうこともあるようです。

「ケースはボロボロだから……」と思っても、純正品なら一緒に出した方が良いと言われています。

そして、意外と忘れがちなのが、保証書(期限が切れていてもOK)、取扱説明書、付属の工具(ネック調整用のレンチなど)、アーム(トレモロユニット付きのギターの場合)などです。

次にその楽器を買う人が、「新品の時に近い状態」で手に入れられるかどうか、が中古品としての価値を決める一つの基準になります。

保証書は、その楽器が「正規品」であることの証明にもなりますしね。</

エフェクターやアンプ、シンセサイザーなんかの機材系は、特に説明書や元箱、専用アダプターの有無が重要です。

押入れの奥にしまい込んでいないか、査定に出す前にもう一度、家の中を探してみてください。

「こんなものも?」と思うような小さな付属品が、査定額を左右するかもしれませんよ。

ポイント3:弦などの消耗品は交換すべき?

これは、結構迷うポイントですよね。

ギターやベースの「弦」です。

「査定に出すんだから、ピカピカの新しい弦に張り替えた方がいいんじゃないか?」って、私も昔は思っていました。

でも、これに関しては、「その必要はあまりない」というのが一般的な見方のようです。

もちろん、錆びっサビで、触るのもためらわれるような状態だったり、弦が1本切れたままだったりするのは、さすがに印象が悪いので、最低限、張っておいた方が良いとは思います。

でも、少し古くなっている程度なら、わざわざ新しい弦に交換しなくても大丈夫です。

なぜかというと、楽器屋さんは、中古楽器を買い取った後、どのみちお店に並べる前にクリーニングや調整をします。

その時に、弦も新しいものに交換してしまうことがほとんどだからです。

あなたが数日前に張り替えたばかりのピカピカの弦も、結局は外されてしまう可能性が高いんですね。

つまり、新しい弦の代金(1,000円前後)が、そのまま査定額にプラスされるかっていうと、ちょっと微妙なところなんです。

それよりも、ポイント1で挙げた「本体のクリーニング」の方に時間をかけた方が、よっぽど効果的だと思います。

ただ、これは管楽器のリードとか、そういう他の消耗品にも言えるかもしれませんが、あくまで「常識の範囲内で汚れていない」ことが前提。

あまりにもひどい状態なら、査定士さんが音出しチェックをするのもためらわれますから、そういう場合は交換した方が無難かもしれませんね。

ポイント4:売るタイミングも重要?楽器の「売り時」とは

「楽器って、いつ売るのが一番高いの?」

これも、よく聞かれる疑問ですね。

洋服みたいに「夏物は春に売る」みたいな、ハッキリしたセオリーがあるわけではないですが、楽器にも「売れやすい時期」というのはあるようです。

一般的に言われているのは、新生活が始まる前の「春先(2月~4月)」や、ボーナス時期の「夏(6月~7月)」と「冬(11月~12月)」ですね。

春は、新入生が部活やサークルで楽器を始めたり、新社会人が新しい趣味を持とうとしたりして、中古楽器の需要が高まる時期と言われています。

ボーナス時期は、単純に「ちょっと良い楽器が欲しいな」と考える人が増えるからでしょうね。

お店側も、そういった「売れる時期」に向けて、在庫を強化したいと考えます。

つまり、「買取」に力を入れる可能性が高い、というわけです。

ただ、これはあくまで一般的な傾向です。

もう一つ、もっと大事なタイミングがあります。

それは、「売りたい!」と思った、まさにその瞬間です。

なぜなら、楽器の価値は、基本的には時間が経てば経つほど下がっていくものだからです(一部のヴィンテージ品は除きますが)。

新しいモデルが出れば、古いモデルの相場は下がります。

「次のボーナス時期まで待とう」と思って半年間しまい込んでいたら、その間に状態が悪くなってしまうかもしれませんし、相場自体が下がってしまうかもしれません。

「売り時かな」と思った時が、一番の売り時。

これが、私の結論です。

ポイント5:楽器の「素性」や不具合は正直に伝える

さて、最後のポイントです。

これは査定額を「上げる」コツというよりは、「下げない」ための、あるいは「トラブルを防ぐ」ための、とても大事な心構えだと思っています。

それは、「楽器の状態について、ウソをつかないこと」です。

例えば、音が出ない時がある(接触不良)、ネックを一度修理したことがある、パーツを純正品じゃないものに交換している……。

そういった、いわゆる「マイナスポイント」になりそうな情報。

ついつい、黙っておきたくなる気持ちも分かります。

でも、査定士さんはプロです。

ちょっと触ったり、音を出したりすれば、大抵の不具合や改造点は見抜かれてしまうと言われています。

もし、査定の時にこちらから何も言わずに、後から不具合が見つかったらどうでしょう。

「この人、隠そうとしてたな」と、査定士さんの心証は最悪ですよね。

もしかしたら、他の部分も何かあるんじゃないかと疑われて、全体的に厳しい査定になってしまうかもしれません。

それよりも、「実は、ここの調子がちょっと悪くて……」とか、「ペグをこれに交換してるんです」と、最初から正直に申告してしまった方が、ずっと誠実です。

「なるほど、それならこの部分の修理費を差し引いて、他はバッチリだからこの値段ですね」と、お互い納得の上で取引ができます。

その楽器の良いところも悪いところも全部含めて、正直に伝えること。

それが、結果的に「適正な価格」での売却につながる、一番の近道なんじゃないかな、と私は思います。

後悔しない楽器買取サービスの賢い選び方 5つのポイント

「下取り」と「買取」を比較して、「ようし、自分は『買取』で、一番高く売れる可能性にチャレンジしてみよう!」と決めたとします。

素晴らしい決断だと思います。

でも、ここからが「買取」を選ぶ道を選んだ人の、もう一つのスタート地点なんですよね。

それは、「で、どこの買取業者さんに頼むの?」という問題です。

試しにインターネットで「楽器 買取」なんて検索してみてください。

本当に、たくさんの業者さんが出てきて、どこも「高価買取!」「日本一!」みたいなことが書いてあって、正直、どこを選んだらいいのかサッパリ分からない……なんてことになりがちです。

私も最初はそうでした。

「どこでも一緒でしょ?」なんて思って、適当に選んでしまうと、後で「あっちの業者さんなら、もっと高く売れたかもしれない……」なんて後悔することにもなりかねません。

大事な楽器を託すわけですから、やっぱり信頼できる、納得のいく業者さんを選びたいですよね。

ここでは、数ある買取業者さんの中から、自分に合ったところを見つけるための「5つのチェックポイント」をご紹介したいと思います。

これを知っておくだけでも、業者さん選びの「軸」ができて、失敗する確率はグッと減らせるはずですよ。

ポイント1:売りたい楽器のジャンルに強い「専門性」があるか

まず、私が一番大事にしているかもしれないポイントが、これです。

その業者さんが、「あなたの売りたい楽器のジャンル」にちゃんと詳しいかどうか、です。

例えば、近所にある「なんでも買い取ります!」という総合リサイクルショップさん。

もちろん、そこに楽器を持っていくのも一つの手です。

でも、もしあなたの売りたい楽器が、ちょっとマニアックなエフェクターだったり、ジャパンヴィンテージと呼ばれるような古いギターだったりしたら、どうでしょう。

そのお店のスタッフさんが、その価値を正しく見抜けるかというと、ちょっと不安が残りませんか。

もしかしたら、「古いから」「よく分からないメーカーだから」という理由で、一律で安い値段をつけられてしまうかもしれません。

楽器の価値というのは、本当に専門知識がモノを言います。

だからこそ、私は「楽器専門」の買取業者さんを強くおすすめします。

さらに言えば、楽器の中でも「ギター・ベースに強い」「管楽器に強い」「DTM機材・シンセサイザーに強い」といった、得意分野があるものです。

その業者さんのウェブサイトを見てみて、「買取実績」のページをチェックするのが手っ取り早いですね。

そこに、あなたがお持ちの楽器と近いジャンルのものが、たくさん、そして「ちゃんとした価格」で掲載されているか。

「〇〇専門の査定士が在籍!」といったアピールがあるか。

そういうところから、その業者さんの「専門性」や「得意分野」が見えてくるはずです。

あなたの楽器の「本当の価値」を分かってくれるところに任せる。

これが、高価買取への第一歩だと思います。

ポイント2:自分に合った「買取方法」を選べるか

次に見ておきたいのが、「どうやって買い取ってもらうか」という、その方法です。

ひとくちに「買取」と言っても、今は大きく分けて3つの方法が主流になっています。

一つ目が、昔ながらの「店頭買取」。

お店に、自分で楽器を持っていく方法ですね。

二つ目が、今すごく増えている「宅配買取」。

楽器をダンボールなどに梱包して、業者さんに送る方法です。

三つ目が、「出張買取」。

業者さんのスタッフが、自宅まで楽器を見に来て、買い取ってくれる方法です。

どの買取方法がベストか、というのは、あなたの状況によって全然違ってきます。

例えば、お店が家のすぐ近所にあるなら「店頭買取」が早いかもしれません。

でも、売りたい楽器がギターアンプや電子ドラムみたいに大きくて重いものだったら?

車がないと、お店まで運ぶのは一苦労ですよね。

逆に、仕事が忙しくて、平日の昼間に査定に来てもらうのが難しい、という人なら、自分の空いた時間に梱包して送れる「宅配買取」の方が合っているかもしれません。

このように、ご自身のライフスタイル(家の近くにお店があるか、車はあるか、昼間家にいられるか)や、売りたい楽器の「大きさ」「重さ」「量」を考えて、「どの方法が一番ストレスがないか」を考えてみてください。

多くの業者さんは、この3つの方法のいくつか(あるいは全部)に対応してくれています。

「宅配買取しかやっていません」という業者さんもあれば、「出張買取がメインです」というところもあります。

自分の希望する買取方法に対応しているかどうか、これは必ずチェックしておきましょう。

それぞれのメリットと注意点も、少し補足しておきますね。

店頭買取のメリットと注意点

「店頭買取」の最大のメリットは、なんといっても「スピード感」と「安心感」だと思います。

お店に楽器を持って行って、その場で査定してもらって、金額に納得すれば、その場で現金を受け取れる(あるいは振り込んでもらえる)。

この早さは魅力ですよね。

「もう、今日中に売りたい!」という人にはピッタリです。

また、査定してくれるスタッフさんの顔を直接見て、「ここは、どうしてこの金額なんですか?」とか「このパーツ、変えてるんですけど……」みたいな話を、対面でできるのも大きな安心材料です。

価格交渉なんかも、もしかしたらできるかもしれませんしね。

送料はもちろんかかりません。

注意点としては、やっぱり「楽器を運ぶ手間」ですね。

ギター1本くらいならともかく、何本もあったり、重いアンプだったりすると、かなりの重労働です。

車が必須になるかもしれません。

そして、そもそも「行ける範囲」に、そのお店がないと利用できません。

あとは、お店が混雑していると、査定が終わるまで「待ち時間」が発生することもあります。

休日に「ちょっと売りに行こう」と思ったら、査定待ちで1時間……なんてことも、あるかもしれません。

時間に余裕を持っていく必要がありそうですね。

宅配買取のメリットと注意点

「宅配買取」は、今一番利用者が多い方法かもしれませんね。

最大のメリットは、「場所を選ばない」こと。

日本全国、どこに住んでいても、東京の有名な買取店に査定してもらうことができます。

お店に持っていく手間も、時間を合わせる必要もありません。

自分の都合のいい時に、楽器を梱包して、配送業者さんに集荷に来てもらうだけ(あるいはコンビニに持ち込むだけ)。

これは、日中忙しい人にとっては、本当にありがたいシステムだと思います。

複数の業者に「相見積もり」を取りやすい、というのもメリットですね。

注意点としては、まず「梱包の手間」が挙げられます。

楽器はデリケートですから、配送中に万が一のことがないように、かなり厳重に梱包する必要があります。

プチプチ(緩衝材)やダンボールを自分で用意しないといけない場合もあります(業者さんによっては、無料の「梱包キット」を送ってくれるところも多いです)。

そして、楽器を送ってから査定結果が出るまで、そして入金されるまでに、どうしても「時間」がかかります。

「今すぐ現金が必要!」という人には向きません。

あとは、送料がどうなるか、特に「査定額に納得いかなくてキャンセルした場合の『返送料』」は、自己負担になるケースも多いので、そこは事前に確認が必須ですね。

出張買取のメリットと注意点

「出張買取」は、特定の人にとっては、最強の買取方法かもしれません。

その「特定の人」とは、「売る楽器が、めちゃくちゃ重い・大きい・たくさんある」という人です。

例えば、大型のギターアンプ(スタックアンプとか)、ドラムセット一式、重たいヴィンテージシンセ、あるいはギターが10本以上ある、とか。

こんなの、店頭に持っていくのも、宅配便で送るのも、考えただけで気が遠くなりますよね。

「出張買取」なら、電話かネットで予約すれば、あとはスタッフさんが家まで来てくれて、全部査定して、運び出してくれるんです。

これほど楽なことはありません。

査定額に納得すれば、その場で現金化してくれる業者さんも多いようです。

注意点としては、まず「対応エリア」が限られている場合が多いこと。

やっぱり都市部が中心で、お住まいの地域によっては、利用できる業者さんが見つからないかもしれません。

そして、当然ですが「他人を家に入れる」ことに抵抗がある人には向きません。

また、希望する日時に、すぐに予約が取れるとも限りません。

「週末に来てほしい」と思っても、予約が埋まっていれば、翌週、翌々週になってしまう可能性もあります。

自分の売りたい楽器の種類と量を考えて、この方法が使えるか検討してみるのが良いと思います。

ポイント3:査定料・送料・手数料は無料か

これは、お金に直結する、すごく大事なポイントです。

「高価買取!」とうたっていても、いざ売ってみたら、査定金額から「査定料」「送料」「振込手数料」だの「事務手数料」だの、色々な名目で引かれてしまって、最終的に手元に残る金額が思ったより少なかった……。

こんなことになったら、めちゃくちゃガッカリしますよね。

そうならないために、どの範囲まで「無料」でやってくれる業者さんなのか、事前にしっかり確認しておく必要があります。

チェックすべき項目は、主にこんな感じです。

・査定料(見積もり料)

・宅配買取の場合の「往路の送料」(送る時の送料)

・宅配買取の場合の「梱包キット代」

・出張買取の場合の「出張料」

・売買が成立した時の「振込手数料」

・そして、一番見落としがちな、宅配買取で「キャンセルした場合の『返送料』」

最近は、これらの多くを「すべて無料」とうたっている親切な業者さんも増えてきています。

特に「相見積もり」を前提に考えているなら、この「キャンセル時の返送料」が無料かどうかは、すごく重要です。

返送料が自己負担だと、査定額に納得いかなくても「うーん、送り返してもらうのに2,000円かかるなら、もうここで売っちゃうか……」と、妥協してしまうことになりかねませんからね。

ウェブサイトの「よくある質問」や「ご利用ガイド」のページに、必ず書いてあるはずなので、申し込みの前に隅々までチェックしておきましょう。

ポイント4:査定額の根拠を明確に説明してくれるか

これは、業者さんの「誠実さ」や「専門性」を見極めるポイントだと、私は思っています。

査定が終わった時、ただ単に「はい、あなたの楽器は3万円です」と、金額だけをポンと提示してくる業者さん。

それに対して、「このモデルは今、市場でとても人気があるので、基本価格が〇〇円です。ただ、残念ながらここの部分に少し目立つ傷があるので、マイナス〇〇円。ですが、パーツをこちらに交換されている点はプラス査定で〇〇円。したがって、合計で3万円です」と、その金額に至った「根拠」や「理由」を、一つ一つ丁寧に説明してくれる業者さん。

あなたが信頼できるのは、どちらでしょうか。

もちろん、後者ですよね。

なぜその金額になったのかが分かれば、たとえ思ったより安い金額だったとしても、「ああ、なるほど。そういう理由なら仕方ないな」と納得できることが多いです。

逆に、理由も言わずに金額だけ提示してくるところは、「もしかして、本当はもっと価値があるのに、適当にごまかして安く買い叩こうとしてるんじゃ……?」と、不信感が湧いてしまいます。

これは、専門知識がないから説明できないのか、それとも、意図的に説明していないのか、どちらにしても不安です。

査定額の「内訳」や「理由」を、素人にも分かりやすく説明してくれる。

そういう業者さんは、査定がしっかりしている証拠ですし、誠実な対応が期待できると、私は思います。

口コミなどで、「説明が丁寧だった」という声が多い業者さんを選ぶのも良い方法ですね。

ポイント5:キャンセル時の対応(返送料など)はスムーズか

最後のポイントは、ポイント3とも少し重なりますが、「もし売らなかった場合」の対応です。

査定額を聞いて、「うーん、やっぱり思ったより安かったから、売るのをやめようかな」とか、「A店の方が高かったから、そっちに売りたい」と思うこと。

これは、売る側の当然の権利です。

問題は、この「キャンセル」を申し出た時の業者さんの対応です。

まず、ポイント3で触れた「キャンセル料」や「返送料」がかかるかどうか。

特に「返送料」がお客様負担、となっていると、実質的にキャンセルしにくくなります。

「査定だけなら無料」と思って気軽に送ったら、返してもらうのにお金がかかる、というのは、ちょっとしたワナですよね。

「キャンセル料・返送料ともに完全無料」の業者さんなら、安心して「相見積もり」の候補に入れることができます。

もう一つは、対応のスムーズさ。

あってはならないことですが、業者さんによっては、キャンセルを伝えた途端に態度が横柄になったり、電話でしつこく「今売ってくれないと困る」みたいに引き止められたり……なんていう話も、残念ながら耳にすることがあります。

そういうストレスを感じずに、「分かりました。またの機会にお願いします」と、快く、速やかに返送手続き(あるいは、出張買取ならそのまま撤収)してくれるかどうか。

これも、優良な業者さんを見極める大事なポイントです。

「キャンセル時の対応が良かった」という口コミが多い業者さんは、総じて信頼できることが多いんじゃないかな、と私は感じています。

楽器買取で有名な人気サービスの特徴を比較

さて、「買取」で進めようと決心したものの、いざネットで検索すると、本当にたくさんの買取業者さんが出てきて、「一体どこを選べばいいの?」と途方に暮れてしまいますよね。

私も、この「業者さん選び」が一番の悩みどころだと思います。

ここでは、「こういうタイプの人には、こういう特徴のあるサービスが向いてるかも?」という観点で、いくつかの有名なサービスをピックアップして、その特徴を私なりにまとめてみました。

もちろん、これが全てではありませんが、あなたの業者さん選びの「軸」を見つけるヒントになれば嬉しいです。

大事なのは、あなたの「売りたい楽器」と「何を優先したいか(価格、スピード、手軽さ?)」に、一番マッチするところを見つけることだと思いますよ。

【楽器専門店】イシバシ楽器

やっぱり、楽器を売るなら「楽器のこと」を一番分かってくれるところに任せたい!

そう思う方にとって、一番の安心材料になるのが、昔からある「楽器専門店」じゃないでしょうか。

その代表格のひとつが、「イシバシ楽器」さんですよね。

全国に店舗もあって、私自身、若い頃から何度もお世話になっています(笑)。

イシバシ楽器さんのような専門店に買い取ってもらうメリットは、なんといってもその「専門性」と「信頼感」だと思います。

ギターやベース、エフェクターはもちろん、ヴィンテージ楽器やマニアックな機材まで、その価値をしっかり分かってくれる専門のスタッフさんが査定してくれる、という安心感は大きいですよね。

「この改造、プラスに評価してくれた!」みたいな、専門店ならではの査定も期待できるかもしれません。

買取方法も「店頭」「宅配」「出張」と一通り揃っていて、自分に合った方法を選べます。

特に、売りたい楽器の「本当の価値」をちゃんと評価してもらいたい、と強く願う人や、査定士さんと直接、楽器の話をしながら売りたい、なんていう人には、こういう老舗の専門店さんがピッタリなんじゃないかな、と思います。

「下取り」にも当然強いので、買い替えの相談も一緒にできるのが強みですね。

【ネット系大手】楽器高く売れるドットコム

「お店に持っていくのは面倒だけど、ネットでの取引はちょっと不安……」。

そんな方に合いそうなのが、インターネットを中心にした大手の買取サービスです。

例えば、「楽器高く売れるドットコム」さん。

ここは、東証プライムに上場している企業さんが運営していて、累計の利用者数もすごく多いのが特徴です。

こういうネット系のサービスは、「宅配買取」のシステムがすごく洗練されている印象があります。

無料の梱包キットを送ってくれたり、送料や手数料、キャンセル時の返送料も無料だったり(これは事前に要確認ですが!)、とにかく利用者がストレスなく売れるような仕組みが整っていることが多いです。

また、ウェブサイトでの事前査定がすごく簡単だったり、オペレーターさんの対応が丁寧だったり、そういう「サービス業」としての安心感も大きいですね。

ギターやベースはもちろん、管楽器、和楽器、DTM機材まで、本当に幅広く扱っているのも強み。

「とにかく安心できる大手に、手軽に宅配で売りたい」という人や、「楽器以外にも、オーディオ機器とかカメラとか、まとめて査定してほしい」なんていう人にも向いているかもしれません。

【スピード重視】楽器の買取屋さん

「もう、とにかく今日中に売りたい!」「思い立ったらすぐ行動したい!」。

そんな「スピード感」を何よりも重視する方。

そういうニーズに応えてくれるのが、「出張買取」のスピードを前面に押し出している業者さんです。

よく名前を聞くのが、「楽器の買取屋さん」ですね。

「最短30分でご自宅へ!」といったキャッチコピーを掲げているように、とにかく問い合わせてから家に来てくれるまでの対応が早い、というのが最大の売りのようです。

もちろん、エリアや混雑状況にもよるとは思いますが、電話一本で「じゃあ、今日の夕方行きますね」なんていう流れになることも。

これは、大きくて運べないアンプやドラムセットを売りたい時はもちろん、忙しくてなかなか時間が作れない人にとっても、すごく魅力的ですよね。

その場で査定して、金額に納得すれば、その場で現金化&運び出しまで全部やってくれる。

この「圧倒的な手軽さ」と「スピード感」は、他の買取方法にはないメリットだと思います。

「査定額は相場通りならOK。それよりも、面倒な梱包とか運び出しを全部お任せして、今すぐスッキリしたい!」という人には、こういう出張スピード重視の業者さんが良い選択肢になると思います。

【総合買取大手】バイセル

「楽器も売りたいんだけど、実はタンスに眠ってる着物とか、昔集めた切手とかも、ついでに見てほしい……」。

こんな風に、楽器「以外」にも売りたいものがいくつかある方。

そういう場合は、楽器専門ではなく、「総合買取」をうたっている大手の業者さんにお願いするのも一つの手です。

テレビCMなどでもおなじみの「バイセル」さんなどが、その代表ですね。

こういう総合買取の業者さんは、とにかく扱っているジャンルが広いのが特徴です。

楽器はもちろん、着物、貴金属、骨董品、ブランド品、お酒まで、本当に「なんでも」見てくれるところが多いです。

メリットは、まさにその「ついで売り」ができること。

家の大掃除や引っ越し、遺品整理なんかのタイミングで、「あれもこれも、まとめて査定してほしい」という時には、すごく便利ですよね。

出張買取に来てもらえば、家中の「これ、売れるのかな?」と思うものを、その場で全部見てもらえるわけです。

もちろん、楽器専門の査定士さんがいるか、楽器の専門性にどれだけ強いかは、業者さんによって差があるかもしれません。

でも、「楽器一点を高額査定!」というよりは、「家にある不用品を、まとめてスッキリ現金化したい」というニーズが強い方には、こうした総合買取サービスがすごく頼りになる存在だと思いますよ。

まとめ:自分の目的に合わせて「下取り」と「買取」を選ぼう

結局のところ、「下取り」と「買取」、どっちが絶対的に「得」か?という問いには、やっぱり「人による」としか言えないんですよね。

これが、今回の一番大事な結論かもしれません。

もし、あなたが「新しい楽器を買うお店はもう決まってる!」「とにかく手続きを一度で済ませて、時間と手間を節約したい!」と強く思うなら。

そういう方にとっては、「下取り」がベストな選択になるはずです。

査定額が「買取」の相場より少し安かったとしても、その差額は「楽させてもらうためのサービス料」と考えれば、十分に納得できる「得」な取引だと私は思います。

一方で、「いや、大事にしてきた楽器だから、1円でも高く評価してほしい!」「売ったお金は現金で受け取って、使い道は自分で決めたい!」と強く思うなら。

そういう方には、迷わず「買取」をおすすめします。

確かに、業者さんを探したり、査定を比較したりする「手間」はかかります。

でも、その手間を惜しまないことで、「最高値」を引き出せる可能性が手に入ります。

それこそが、あなたにとっての「得」な取引ですよね。

大事なのは、ご自身が楽器を売るにあたって、「何を一番優先したいか」をハッキリさせること。

「お金」なのか、「時間」なのか、「手軽さ」なのか、それとも「納得感」なのか。

その優先順位さえ決まれば、あなたが選ぶべき道は、もう自然と見えているはずです。

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今回は「下取り」と「買取」の違いに焦点を当てて、じっくりと比較してきました。

「自分は買取かな」「いや、手軽な下取りがいいな」と、方向性が見えてきた方もいらっしゃるかと思います。

でも、いざ楽器を手放そうと考えた時、悩みはこれだけじゃないかもしれませんよね。

「そもそも、売る以外にどんな選択肢があるんだろう?」とか、「実家に置きっぱなしの、あの古い楽器はどうしたら……」と、別の疑問が湧いてきた方もいるかもしれません。

ここでは、そんな「楽器の手放し方」に関する、他のお役立ち記事もいくつかご紹介しておきますね。

ご自身の状況に当てはまりそうなものがあったら、ぜひあわせて読んでみてください。

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    楽器を「廃棄」するにも、正しいルールや費用がかかるんです。

    「知らずに損してた!」なんてことにならないよう、粗大ごみとして出す場合の具体的な手順やコストについて、詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。

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    楽器を「寄付」するという選択肢について、どんなメリットやデメリットがあるのか、寄付先や手続きの方法などを知りたい方は、こちらの記事が参考になるはずです。

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    実家に帰省したら、昔お父さんが弾いていたギターや、誰も使わなくなったピアノが置きっぱなしになっている……。

    そんな「所有者がわからない古い楽器」の処分や、親御さんの遺品整理の一環として片付けたい場合に、どう動けばいいかのコツをまとめています。